切削工具とは?

はじめに

身の回りの切削工具

 私たちの身の回りには、金属で作られている製品がたくさんあります。しかし、それらがどのように加工されているかご存じでしょうか。

 金属には、数多くの加工方法がありますが、その中でも最も多く使われる方法として、切削加工があげられます。まずは、切削工具と切削加工について学んでいきましょう。一口に切削工具といいましたが、切削工具とはいったいどんな物なのでしょうか。

 まず最初は、切削工具について身近な所から考えてみましょう。

 私たちの生活の中にもたくさんの切削工具が活躍しています。たとえば、台所の中では、ナイフ、包丁など刃物の類や大根おろしなども切削工具の仲間です。また、机の上ではカッターや鉛筆削り、物置の中では、のこぎりやカンナなども切削工具の仲間です。そして、これらの刃物に共通なことは、 切ったり、削ったりして物の形を変えていき、そのことによって切りくずや削りくずがでることです。

 もうおわかりだと思いますが、切削工具とは、物を切ったり削り取ったりして希望の形に近づけていくための道具なのです。このように、生活の中での切削工具は、果物や野菜、木材などを加工しますが、三菱マテリアルで生産する切削工具は、もっと硬い鉄などをいとも簡単に切削する刃物です。

 それでは、この産業界の中心である鉄をリンゴの皮を剥ぐように削っていく切削工具とはいったいどのような刃物なのでしょうか。

切削工具の出来るまで

 その製造工程を見てみましょう。

 まず、タングステンカーバイドとコバルトを混ぜ合わせて原料となる粉を作ります。この原料を型に入れて押し固めます。こうして押し固められた物は、チョーク程度の硬さに仕上がります。続いて、これを1400度程度の温度で焼き固めます。

 これで超硬合金の完成です。超硬合金は焼きあがると、体積が半分程度になってしまうと言う特徴を持っています。

 また、硬さはダイヤモンドとサファイアの中間くらいに位置し、重さは鉄の2倍近くもあります。

 それでは、この硬い超硬合金を加工する場合は、どのようにするのでしょうか?

 それは、ダイヤモンドの砥石を使って研削加工で希望の形に加工していくのです。

切削とは

 右図は、切削中の切れ刃の状態を示したものです。材料が刃物にぶつかり分断され、切りくずになって流れていきますが、このとき発生する熱は800度以上になることがあります。

 このように切削中の刃先には、大きな衝撃がかかり高い熱が発生しますが、これに耐えることができる超硬合金は現代の工具材料の主力ともいえるでしょう。 このインサートは、いろいろな形状の本体に取り付けられ、加工物の形や削りかたによって選択されます。 

この刃物の王様である超硬合金も、現在では刃先だけが交換できる刃先交換式が主流となっています。そして、この切れ刃をインサートと呼んでいます。

旋削とは

旋削加工

 加工物を丸く削る工具には、外径用のバイトホルダーと、内径用のボーリングバーがあります。バイトやボーリングバーを使用した切削加工を旋削加工と呼び、加工物が回転するのが特徴です。

 主に被加工物(ワーク)を回転させ、丸状に加工する機械を旋盤と呼びます。

フライスとは

フライス加工

 右の写真に示すのは、一般にフライスと呼ばれる工具で切削加工を行っているところです。フライスとは加工物の表面や溝を削る工具で、表面を加工する正面フライスと溝などを加工するエンドミルに大別されます。正面フライスやエンドミルを使用した加工を転削加工と呼び、工具が回転するのが特徴です。転削加工に使用される機械をフライス盤と呼びます。

ドリルとは

穴あけ加工

 右の写真は、加工物の表面に穴をあけているところで、この工具をドリルと呼びます。ドリルには、比較的大きな穴をあけるドリルと中径から小径の穴をあけるロー付ドリルとソリッドドリルがあります。穴あけ加工は、加工物が回転して切削する加工と、ドリルが回転して切削する加工の、両方で使用できるのが特徴です。ドリル加工に使用される機械は、ボール盤、旋盤、フライス盤などで使用できます。

まとめ

 以上のように代表的な切削加工は、旋削加工・フライス加工・穴あけ加工の三つに大別され、加工形状に合わせ適切な工具を選択することで、硬い金属を能率良く加工することが可能となります。切削加工にはこの他に、リーマ加工、ブローチ加工、歯切り加工などがあります。

  現在、超硬工具を使用した切削加工は、機械産業の中心的な存在となっています。そして、より高精度、より高速といった高能率加工の要求に対応し、三菱マテリアルでは日夜、研究開発に取り組んでいます。長い切削工具の歴史の中から生み出されてきた超硬工具は、現代の加工技術の頂点として、常に最新鋭の切削加工をリードする存在として、発展し続けるでしょう。

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