CRAFTSMAN STORY

新製品「WSX445」にかける想い

ものづくり魂が生んだ、高性能両面インサート

2014年10月、「新両面インサート式正面フライスWSX445」が発売された。一目見れば、「これまでの正面フライスとは何かが違う」と分かるこの製品は、従来の両面インサート式にはない抜群の切れ味と、安定した長寿命を達成する。その秘密は、複雑にデザインされたインサートの形状にあった。ここでは、最新の製造技術をもって実現したWSX445が生まれるまでのストーリーを、4名のエンジニアに語ってもらった。

まず、「新製品 WSX445」開発の背景について、教えてください。

鈴木:
ものづくりの現場では、コストダウンのために日々改善活動が行われています。切削加工について言えば、最も使用量の多い正面フライス工具に注目が集まっています。
最近では、従来からある片面インサート式正面フライス( 以下、片面式)に代わり、使用できる切れ刃数が2 倍で経済性に優れる両面インサート式正面フライス( 以下、両面式)が登場し市場を席巻すると思われましたが、実際にはそうはなっていません。その理由は何点かありますが、最も大きな理由は、両面が使用できるインサート形状であるがゆえに、カッタボディに取り付けた際のすくい角が鈍くなり、どうしても切れ味が悪くなるというデメリットです。
私は、両面式の導入を断念したお客様にも満足してご使用いただける、今までにない両面式を開発したいと、ずっと考えていたのです。

今井:
このような理由から、WSX445の開発コンセプトは、「両面式でありながら、片面式のように切れ味が良く、さらに安定した長寿命を達成すること」としました。

Q.商品化するまでには、どんな苦労がありましたか。

鈴木:
大きなポイントとなったのは、インサートの形状です。従来の両面式と比べてみても、WSX445はとても複雑な形状をしていることが分かります。 この形状に辿り着くまでが非常に長い戦いでした。

今井:
従来の両面式は過去から存在した単純形状の発展型であり、それをカッタボディに搭載した際、切れ味を良くすることには限界がありました。しかし我々は、既存の概念にとらわれず、ゼロからあるべき理想形状を追求。その結果、非常に彫りの深い複雑な形状になりました。

鈴木:
しかしながら、その形状の量産化は非常に難易度の高いものでした。この複雑形状の実現を目標とすることは、とてもチャレンジングでありましたが、 これがチームのものづくり魂に火をつけることに繋がりました。

Q.「片面式のように切れ味が良く、さらに安定した長寿命」の実現にあたり、どのような取り組みをしましたか。

目黒:
まずは、この複雑形状インサートの成型技術をブラッシュアップする必要がありました。ご存知の通り、超硬合金というのは焼き物です。形状が複雑にな ればなるほど設計通りの形状を作るのが難しくなります。
生産技術部門と連携し、この課題に取り組まなくてならない。この取り組みは、入社年次が若い私にとって貴重な経験となりました。

宮田:
インサートのみならずカッタボディの設計にも苦労しました。彫りの深いインサートを安定してクランプできる形状は、従来の設計にはないものでした。

鈴木:
一定の所内試験の後、実際のものづくり現場で評価するために世界中のお客様へ出向き、テストをしていただきました。ほとんどのお客様では良好な結果が得られましたが、一部のお客様では、満足な結果が得られませんでした。こういった場合すぐに改良を行い、再テストを繰り返すことで、より完成度の高い製品へと作り上げていったのです。

Q.WSX445の発売にあたり、お客様に向けてメッセージをお願いします。

鈴木:
私たちはいつも、お客様に最大限のメリットをご提供したい、と考えてものづくりをしています。お客様がどのような産業の中で、どのように私たちの製品を使ってくださるのか、それを調査、分析し、時代の風を読みながら、次の製品を生み出し続けます。そして、送り出す製品がお客様にとって「今、欲しいもの」であるようにと思っています。WSX445は、まさにその想いが実現した製品。ぜひ、手に取ってその違いを実感してください。今後は、お客様から多くの支持をいただいているインサート材質やカッタボディ形状を軸に、シリーズラインアップを拡充していく予定です。どうぞ、ご期待ください。

今井:
「良いものをつくりたい」という想いを込めて、設計をしてきました。WSX445はまさにそれが形になった製品です。性能も、見た目も今までとは違うと、たくさんの方に感じていただき、長く愛される製品になれば嬉しいです。

宮田:
WSX445 は三菱マテリアルの筑波製作所を中心に、岐阜製作所などさまざまな部署のメンバーが連携して作り上げました。開発、製造、営業、製品に 関わるすべての人間の「ものづくり魂」を込めています。ぜひ、お試しください。

目黒:
お客様によって工具の使用環境はさまざまであり、用途もさまざまです。だからこそ、私たちは実際にお客様を訪問し、自分の目で、耳で、一つひとつのご要望をしっかり受け止めたいと考えております。より求められる製品をつくるために、お客様に寄り添い、頼っていただける存在でありたいです。どうぞよろしくお願いいたします。

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