EDITORIAL

MESSAGE


 切削工具の歴史は、まさに自動車産業の歴史そのものと言えるかもしれない。自動車メーカーは、その時々の市場が求めるニーズをしっかり予測し、それらを確実に満たしながら発展してきた。このような自動車産業が今、とてつもなく大きな変革の渦中にある。ほんの10年後の市場予測すら不透明であり、今後の動向については、同じ国の中でさえ統一した見解が存在しないケースが多い。

 このような状況は、言うまでもなく我々工具メーカーにとっても全く同じである。単純に考えれば、次世代自動車では1台当たりの切削加工量は確実に減少する。これは多くの工具メーカーがまもなく直面する非常に厳しい現実である。

 しかしながら、大きなビジネスチャンスは、こういうときにこそ生まれるのではないだろうか。未来への選択肢が幾通りも存在する中で、果敢にいずれかを選び、進んでいく。そのために何を準備しておくべきかを今から考え、きちんと実行していく。一方、今この瞬間があるのもまた事実である。生産性の5%向上、エンジン加工ラインの新規立ち上げなど、当業界の切削に関するテーマは今なお多く存在する。我々は、将来に対する準備もしながら、今目の前にある課題も決して疎かにしてはならず、これら両面において価値を提供しなければならない。

 我々のCRAFTSMAN STUDIOは、今後大きな進化を遂げようとしている“変革者達”にとって、現在と将来のあるべき切削加工の姿について、気楽にかつ大胆に語り合える場所になると良いと思う。

三菱マテリアル株式会社 常務執行役員
加工事業カンパニー プレジデント

中村 伸一

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